写真撮影とSDGs
今回の記事、勝山のゲンジボタルやヒメボタルの群生地がこの先もずっと群生地であり続けて欲しいと思い、少し堅苦しい記事をアップします。(「SDGsって何?」と気にかかった方は、SDGsで検索をかけると、SDGsについて知ることができます。)
今年、勝山のヒメボタルを撮影していて、「カメラマン本位の行動」が非常に気にかかりました。何が気にかかったのか、、、。それは、下の写真を見てください。
6月21日のスナップです。杉林の中、場所取りのために乱立する三脚……。右の写真に6つ写っていますが、撮影していない方向にもあり、全部で15くらいありました。その三脚の中でも矢印をつけた三脚は、下草がある場所に堂々と立てています。
この三脚が乱立している場所の地面がどうなっているかというと、赤い線で囲んだ部分、たくさんの人が踏み固めた跡です。
右端の写真は、中の写真のオレンジの部分を撮ったものです。下草が生えていないところは、ここ3,4年で人が踏んでいった部分です。左と中の写真で赤線部分も7,8年前は、右写真と同じように、杉葉が落ちていました。
また、青丸部分は下草が生えていません。これは、林の中で写真を撮る人たちが三脚を立てた跡です。細い三脚の足だけではこんなふうにはなりません。カメラマンが三脚を安定させるために足で踏みつけるため、こんな風になります。
ヒメボタルはとてもデリケートなホタルです。オスは飛ぶことができますが、メスは飛ぶことができず、下草の葉の裏や腐葉土の中に隠れています。写真のように踏みつけられてしまうと、下草は根を地面に張ることができません。下草がなくなることは、ヒメボタルの生息場所がなくなるということです。
21日、写真を撮っていると、21時を過ぎた頃に林の中で撮影していた15名くらいの人たちが撮影を切り上げ次々と出てきました。そして、その中の何人かの人たちが、次のように話していました。
「今日は、ヒメボタルが出ないから、ダメやなぁ!」
ヒメボタルが出てこなかったのは、ホタルのせい? 違います。ヒメボタルが出なかったのは、林の中に大勢の人がいたからです。
ヒメボタルはとても賢く、例えば、人が捕まえようと手を近づけていくと、1mくらいになったときにスッと飛ぶ向きを変えます。人が発する温度を察知して逃げていきます。つまり、林の中にいた大勢の人の体温を察知して、カメラマン達がいない場所に逃げたわけです。(事実、FUDOUがカメラを向けた場所には多くのヒメボタルが出ていました。)
と、グダグダと書いてきたFUDOUも、10年くらい前は杉林の中で撮影したり、ヒメボタルがよく出る場所にカメラをセットしてリモコンで撮影していました。でも、ヒメボタルは思ったように写っていませんでした。理由は簡単、三脚を置きに草むらの中に入ったときに、その付近に隠れていたヒメボタルを踏んでしまったり、追い出したりしたからでした。そのことに気がついてからは、杉林の中に入って写真を撮ったり、草むらに三脚の足を立てたりして撮影することを止め、林道から撮影しています。
だから、林の中で撮影しているカメラマンがいると、ヒメボタルの生態などを伝え、少しだけ注意を払って撮影してと話をするのですが、聞く耳を持ってくれるカメラマンに出会ったのは、ごくごく一握り。多くのカメラマンは聞き流し、生き物に配慮した撮影をしません。勝山のヒメボタルは、数mの近い距離で撮影でき、なおかつ、一晩中光っている群生地です。このような群生地は、全国的に見ても希な群生地です。 いい写真を撮りたいと思うのは皆同じ。写真を撮るとき、ほんの少しの気遣いをして、生き物に優しい撮影をして欲しいと思います。
長々と書いていたら、まとまりのない文章になってしまいました。すみません。
コメント